熱中症予防に牛乳が良いってホント?



熱中症の基礎知識

 

 

さて熱中症です。夏シーズン真っ盛りとなればリゾート、バカンス気分も満開となりますが、同時に毎年ニュースに載る「熱中症」も増加します。海辺でバーベキューをしていた人が突然熱中症で倒れる、などのニュースがよく流れます。毎年こうしたトラブルが必ずあります。

 

さて、熱中症について、原因、予防、対処法をしっかり知っているでしょうか?日射病や熱射病などの総称が「熱中症」となります。定義では、「高温下での運動や労働による、発汗や循環系の異常が原因で起こる病気。体温上昇、発汗停止に、虚脱・けいれん・精神錯乱・昏睡なども引き起こす。重症の場合は生命の危険を伴う場合もある」となっています。

 

つまり、日差しが非常に強く、気温もどんどん上昇する夏は、当然ですが症状の進行が早くなり、注意が特に必要になってきます。

 

熱中症を引き起こしてしまう背景には、前項の夏バテでも出てきましたが、体温を調節するメカニズムがあります。体温調節というのは、皮膚表面から空気中へ熱を放出させてしまう。汗をかくと、その汗が蒸発する時に熱を下げる「気化熱」を利用しています。

 

気温が体温より低い状態なら、皮膚から熱が空気中へ移動しやすく、従って体温上昇も容易に抑えられます。湿度が低い場合も、汗で熱が奪われるので、やはり体温をコントロールしやすくなります。

 

しかし、この逆は問題です。体温より気温が高いと、空気中への熱放出は停滞し、発汗だけが体温調節の頼みになってしまいます。気温が高く、湿度も高く(75%以上)なると、汗もただ流れ落ちるばかりで、ほとんど蒸発しませんから、発汗による体温調節はできなくなってしまいます。これが危険な状態なのです。