熱中症予防に牛乳が良いってホント?



熱中症の対応方法

 

 

熱中症の重症度は3段階に分けられます。重症I度は軽症で、日陰で休んで水分補給をして対処します。重症II度は中等症で、これは病院で補液を受ける必要があります。重症III度は重症で、救急車を呼ばないと危険です。

 

軽症でも、皮膚の血管拡張で血圧が低下し脳血流が減少した状態になる熱失神の危険性があり、何しろ油断できないのが熱中症です。ここまでの話で熱中症の危険性が理解できたと思います。

 

さて、その対策は?ということになるのですが、熱中症では塩分摂取が必要です。汗をかくと塩分も体外に排出されるので塩分を補給しないといけないというような感じだと思いますが、しかしそれはかなり激しい運動や作業をした場合です。日本人の場合は普段の食事で十分に塩分を摂取できていますから、汗を普通にかいた程度では、特に塩分補給をする必要はないそうです。

 

そしてもちろん水分補給です。暑い時はこまめにスポーツドリンク(塩分の入った)などを摂るのが効果的です。水分を失って体重が2~3%減ると、体温調節能力が低下し、熱中症になる可能性が上ります。気温が特に高い日は、飲水休憩をとって体温上昇を抑えましょう。

 

ただし、緑茶やコーヒーは利尿作用があるので水分補給には適していません。水中毒にも気をつけたいものです。水の大量摂取によって起こる中毒症状は、マラソン大会などで事故例があり水が「毒」として作用するのは、大量の発汗で水分といっしょに塩分(Na)も多く排出され、その状態で水だけ補給されると、ナトリウム濃度が薄い「低Na血症」という状態になります。

 

ナトリウムが不足すると、内臓、筋肉の働きが異常になってきます。細胞は水ぶくれになり、脳細胞までむくんだ状態になります。これが水中毒です。短時間に大量の水だけを摂取するのは絶対に避けましょう。